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カーネーション

【その2　カーネーションの育て方】

カーネーションの分類

今一般的に売られているカーネーションには２タイプあります。
各メーカーさんが出している大きな鉢の大きな花のカーネーションを『カーネーション・カリオフィラス』と呼びます。
また、マジカルチュチュのようなナデシコの八重咲きタイプのカリオフィラスとナデシコの交雑種でナデシコの強健さとカリオフィラスの豪華さを併せ持ったハイブリットタイプのカーネーションがあります。
その２タイプ基本的に管理は同じなのですが、管理難易度が違うようです。

それぞれの育て方は別ページで・・・。
・大きく豪華なカーネーション・カリオフィラスの手入れ方法
　　　準備中
・マジカルチュチュの様なナデシコ系カーネーションの手入れ方法　　　　　
　　　準備中

最後にカーネーションのマーケットというものは５０％は赤色になっています。その他ピンク、イエローと続くわけですが変わった色のものはそんなにマーケットが大きいわけではありません。
ここから少し悲しい現実なのですが、変わった色のものというものは苗の供給量が１年目3000本とか結構少ないわけです。1年目には大変引き合いが強いのですが、苗の供給が整ってきた３年目という時には『なぜか』需要が減るというとてもファッション業界のような世界がカーネーションにはあるようです。特に『トレンド』というものがあるわけではないのですが。どんなに良い品種でも上位３位内のものの前にはかすんでしまうんでしょうかね。
それだけ一時の需要が大きいため、カタログ販売やインターネット販売の販売量が大きくなってしまっている場合はそうならざるを得ないのか。。
先日行った展示会で種苗会社の人と『もったいないね』『かなしいね』と話しておりました。なので、カーネーションはここで紹介させてもらった以上に沢山あります。お気に入りのカーネーションを見つけて、楽しんでください。

マジカルチュチュの手入れの仕方

マジカルチュチュは四季咲きガーデンカーネーションです。
大変強健で、うまく管理をすれば何年も花を咲かせることができます。

１　買ってすぐやってもらいたいこと
　
(1)肥料をあげる。　　
これからの季節マジカルチュチュは花を長く次から次へと咲かせてくれます。　　
長く効くタイプの置くタイプの肥料でよいので、肥料の説明書に書かれている　　
分量で与えてあげてください。　　　
　

(2)植え替える　　
９cmまたは10.5cmのポットを購入していただいた方は是非自分のお気に入りの鉢やプランターを見つけて植えかえてください。
購入してすぐに植えかえる方は植え替えた後に肥料を与えるほうが効率的です。　

(3)４号の投げ込みのポットを購入された方　　
４号の硬質ポットを購入された方は10.5cmのポットでマジカルチュチュが入っています。そのまま楽しんでいただいて結構なのですが、御自宅でその鉢に植えこんでいただくともできます。
よく『なぜ生産者で植えこんでいないんだ？』という質問があるのですが土を使って植え込むため販売する前に鉢が泥だらけになってしまい、購入されるお客様の手を汚してしまいます。そのために鉢カバー代わりに硬質ポットに入れさせてもらっています。　　　

【植え替えの例】　　　
　鉢底　　　
①外鉢のそこの出っ張りのところまで土を入れます。　　　　
　鉢底植えこむ　
②そこに抜いた鉢を差し込みます。　　　　
　植えかえ完了
③そして完成　

(4)オプション・ピンチ　　
コレはお客様の好みなのですが、３輪以上咲いている花をピンチしてほしいです。　　
通常6-7輪ほど咲きますが母を咲かせすぎてしまうと、同じ茎の下についている新しい芽に栄養が十分にまわらず、ピンチ後の花が遅くなる傾向が社長の観察で明らかになりました。絶えず買った時のような状態を保ちたい場合は、３輪咲いたらピンチをしてみてください。　　切った枝は花瓶に挿したりして楽しむことが可能です。

2　置き場所　

(1)西日が当たらない場所がある家　
マジカルチュチュの置く場所はできれば、午前中に日差しが当たり午後に日陰になりやすい場所が良いです。西日(夕方の日差し)は朝の日光より強く植物が嫌がってしまい、特に気温が高い夏などは植物が体力を消耗してしまいます。　

(2)西日しか光が当たらない家　　
昼間の日陰の光でも問題はありません。西日が強く当たる家の方は、夏には日よけをしてあげましょう。　　
もしくは、夏には涼しい日陰の場所に避難させるなどが良いでしょう。アサガオのカーテンなどを作ってあげると良いかもしれません。　

(3)アパートマンションで室内管理がメインの家　
アパートマンションですと、思ったように植物を置ける良い環境がないという家は午前中だけでもよいので、近くの窓を開けたり、ベランダに出したりして『風』を当ててください。
風を当てることでも植物は不思議と光を感じることができます。植物にも刺激が必要なのです。

3　水管理　

水は基本的に午前中に与えてください。また、夏の暑い日は真昼間に水を与えて直射日光のあたる場所には置かない方が良いです。理由は、直射日光で鉢の中が熱くなり、水を与えた水分の温度が急上昇して根っ子が煮えてしまいますので気を付けてください。　
豆知識で、土内の温度は気温より２度～３度高いです。なので夏場は基本的に水の管理は土が乾いたら与えましょう。　
花がたくさん咲いている時期ほど水が必要になり、冬場はそんなに水を与えなくても乾きにくいです。　夕方に水を与えると土が凍ってしまう可能性があります。

4　肥料管理　
肥料は置くタイプのものがお勧めです。理由は種類にもよりますが、一度与えれば30日～45日ほど効果が続くからです。しかし、栄養補給が急務の場合は液肥を与えてあげるとよいでしょう。

【肥料の乗せ方の例】　　
　半埋め
矢祭園芸では錠剤型の肥料は半埋めにして使ったりしています。

5　,ピンチ(剪定) 　

ダイアンサスの花を咲かせるためには欠かせないものが、ピンチ(剪定)です。これをすることで１本の茎から２本の花を咲かせることができます。
もともと１０本花茎がついていたものをピンチすれば理論上２０本になり、これをまたピンチすれば理論上４０本とネズミ算式に花が咲くということです。
そういうことはどの草でも同じことだと考えると、土手の草刈りというものはある意味ピンチ・・(以下略) 　　
花茎は基本的に茎と葉の間から出てきます。それを大きくしようとすれば、やはり真ん中にどーーんと生えている茎が邪魔なわけで、花を管理する側から見ても、朽ちた花は観賞価値がない。ということで人間と新しい芽との思惑が一致して、ピンチを始めたという風に考えたいです。
ピンチは枝の上の方でしても、バランスが悪くなります。なので、できるだけ下で、茎がハサミで切れるくらいの場所で切ると枝が伸びてきたときに茂って見えます。花が終われば約４週間～で次の花が開花してきます。
長く見るコツはいつも３輪程度で切るのがいつも同じように花を咲かせるコツです。
　ピンチ

　新芽のピンチ

6　植え替え　

マジカルチュチュの植え替えはポットのものを購入した場合は購入後一回り大きな鉢に植えてあげたり、プランターに植えてあげてください。少しポットで楽しんでから地面に植えても良いです。　
また15cm以上の大きな鉢を購入またはプレゼントされた方は、花を一通り見て、ピンチをして、　もういいかな？と思った時に土に植えて貰っても問題ありません。

7　冬場の管理　

マジカルチュチュは冬場外でも大丈夫です。ただ、地域により気を付けてもらいたいことがあります。　

(1)冬に気温が低く、霜が毎日降り、しばれる場所
矢祭町も冬は朝マイナス１０℃で霜も毎日降り、極寒の地となります。そんな場所では冬場は軒下管理がお勧めです。屋根の下や縁側の下などにおいてみてください。
水は控えめに、午前中気温が微妙に上がってきたら与えてください。
夕方や夜に与えると土が凍ってしまう可能性があります。　　
近くのラーメン屋さんのおばちゃんはマジカルチュチュを５年も育てていますが、冬場には毛布や不織布をかけてあげています。もっぱら矢祭園芸では外で放置なんですけどね。それでも花は咲きます。

(2)そんなに冬に寒くなく霜も降らない場所の人　　　　

8　来春の管理　
　ダイアンサス　年越した枝
春めく前に写真の下の方のついている前年度の枯れ葉をきれいに丁寧に玉ねぎを剥くように取ってください。　
枯れた葉の下には実は小さな花芽が隠れており、枯れた葉をとることで光が当たり、その部分から　新芽が吹いてきます。また、写真の茎のてっぺんから蕾がでてくる(すでにあるかも)ので、その蕾を取ってしまいましょう。そうすることで花に栄養がいかないので新芽が出てきやすくなります。　
その後肥料を与えると葉を取ったところから勢いよく新しい芽が伸びてきます。　　
肥料は関東以西では３月の彼岸前に、東北や北日本の寒い場所では３月の彼岸直後に置くタイプのじっくり効く肥料を与えてください。　

9　根づまりについて　
　ダイアンサスポットバンド
ポットバンドという現象があります。長い期間植え替えをしないでおいて全体に根がまわってしまう現象です。
この状態になってしまうと、花が十分につかなかったりといろいろな弊害が出てきます。このようなものはすぐに植えかえてください。その際に、ダイアンサスの場合は鉢底から１cm位崩して植えてあげてください。
　ダイアンサスポットバンド根崩し
このように根を崩して切ることで植えかえた後に新しい根を発根させることができるというわけです。花つきが最近悪くなったな？と思ったらポットを抜いてみて確認してみてください。