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八重咲きシクラメン チモ


今月の花はもうシクラメンの季節ですね。 八重咲きシクラメン『チモ』になります。

1.品種の特徴は

(1)花弁が八重咲きである。
 まず大切なのは見た目の特徴!通常シクラメンの花は5弁なのですが八重咲きだと10弁。今のところ20枚弁位まではたまに出てくる感じです。
 それ以上になると花がボールのような形になってしまい、見た目がシクラメンではなくなってしまいます。それはそれで面白いのですけれどね。



 15枚弁はちゃんと雌しべを維持した状態で一つの花にこんなに花弁を持っています。

(2)鑑賞期間が1つの花で3週間以上
 なぜ八重咲きだと花の鑑賞期間が長いのか?と言いますと、普通のシクラメンはおしべとめしべがちゃんと揃っています。虫や風、または自動的になどで一つの花の中で交配をしてしまいます。植物は受粉を誰かにさせるためにきれいな花を咲かせている場合があり、受粉してしまえば、飾りなどいらないので、花をなくそうとします。
しかし、八重咲きシクラメンに関してはおしべが花弁に変化しています。
そうなることで、受粉するための花粉がなくなってしまいます。
結果的に、受粉しないので、花を自分から落とすこともなく、長く咲き続けることができるということです。
それが、花が長いという因果ということです。
 
(3)大変丈夫
 矢祭町下関河内の気温は冬の最低気温は−8℃、夏の最高気温は38℃と年間の気温差が46℃と過酷な条件の土地柄です。そのような中でチモは育種をされています。
 もともと強いガーデンシクラメンのタイプを元に八重咲きの親をかけ合わせながら10年以上育種を重ねてきました。そのため、大変丈夫な八重咲きシクラメンが出来上がって来ました。
  先日行われた、砧市場での展示会においてヒアリングをしたところ、2008年に植えたものは東京でも路地でそのまま越したという話など聞かれました。また、趣味者からのお手紙で去年の冬に買ってからそのあと夏中咲いていて、今もまだ咲いているという報告もあり、大変丈夫なようです。

2.チモの育て方

 ★置き場所
  置き場所は東京で庭植えで冬を越せたなら・・・と思ってはいけません。地域により路地でも越せる場所や越せない場所があります。このようなときは私たちはこのようなことを言います。
  『軒下などの屋根がある凍らない場所』と。。

  昨冬、庭の置き場所の実験をしました。ご周知の通り矢祭はとても寒いです。外に置いたものはお亡くなりになってしまいました。霜を2回程度当たっても問題はなかったのですが、毎日のように霜が当たって葉が凍ってしまいしんでしまいました。
  結局、多少の霜ではやられないのですが、葉っぱが毎日凍ってしまうと駄目なようです。
  なので、霜が毎日降りるような場所では昼間は外に出して、夕方は玄関先。もしくは、 室内の明るい窓辺で管理されると良いと思います。
  霜があまり降りず、気温もマイナスにならない地域では、路地もしくは花を綺麗に楽しみたい場合は軒下などで楽しめると思います。



参考《矢祭園芸の軒下》

 ★水管理
  水管理で多くの人はシクラメンをお亡くなりにさせているようです。
  冬場は光合成をおこなうにも、寒くてそのスピードは遅いです。なので、夏ほど土は乾きません。
  逆に水分が十分であるのにもかかわらず、与えすぎてしまうことで塊茎を腐らせてしまう結果を招いてしまいます。また、長時間お皿に水を溜めることで、一番成長の激しい根っこの先が水に浸ってしまい、新しい根へ酸素が供給されずに窒息の結果、成長が阻害され、腐りそこから雑菌が侵入し、株全体を死に追いやってしまう結果になることがあります。


★肥料管理
  八重咲きシクラメンの肥料は普通に利用している肥料で問題ありません。ただ、肥料を一度に沢山与えすぎると今度は、メタボになってしまい、体調を崩し、お亡くなりになってしまいます。
  置くタイプの肥料でしたら、30日に一回、液肥でしたら2000倍を2週間に一度与えてあげてください。葉や花が少なくなってきたら控えましょう。

 ★植え替え
  シクラメン植え替えの基本
   ・植え替える前に十分な水をかけておく。
   ・根を崩さず植え替える。根が傷むと株全体の体力がなくなります。
  ◎鉢の植え替え
    鉢の植え替えは暖かくなってきた春かこれから成長を始める涼しくなってきた秋にひと回り大きな鉢に植え替えます。
  ◎ポットの植え替え
    植え替える方法は写真のように行うと楽です。金子明人さんから教えてもらいました。

1.とりあえず、チモと大きめの鉢を用意する。 2.とりあえず、そこに土を入れてみて、その上にポットを置いて高さを確かめる 3.とりあえず、まだポットは抜かない。
4.とりあえず、ポットに入れたまま土を入れてしまう。 5.水の為に遊びを作る。
 大体今回は2cm-3cm位
6.ポットに入った苗を抜く。そうするとポットの形が残る。
 
7.穴に形を崩さないようにポットから抜いたチモをそのまま差し込む。 球根は地面からちゃんと出るようにしてください。  


 夏の越し方

  ◎めんどくさい人の休眠法
   球根を休眠させて秋口にまた芽を吹かせるやり方です。花がなくなってきて、手入れをするのがめんどくさくなってしまった人用です。矢祭園芸の人はこちら派です。
   花が減ってきて、手入れもわずらわしくなってきたら、日陰や暑くない場所に置いて、水は滅多に肥料は与えないという方法です。水は2週間〜1カ月に一回くらい。私の場合はそろそろやばいかな?
   と思われたらビールジョッキ一杯の水をあげていました。9月位に葉がにょきにょきと伸びてきます。

4月から2か月に一度の水やりで生きていたチモ

  ◎まめな人の休眠させない法
   こちらは涼しいところで通常の管理方法(乾いたら水を与える等)を行うという方法です。
   今年の夏は暑すぎていなかったので、この方法で夏中咲かせている人からの報告が2件ほどありました。
   チモは丈夫なのでこちらの方法でも夏を越させることができるようです。

そのほか

 ◎初めは八重だったのに最近は八重ではなくなった?
  → 約一か月前に肥料が不足していたようです。肥料が不足すると八重ではなくなることがあります。難しく言えば、花弁が退化して、おしべになろうとするわけです。即効性の肥料を与えましょう。
  ポットで管理している場合はひと回り大きな鉢に植え替えるかの手段を講じましょう。花は一ヶ月くらい前の栄養状態を表現します。

 ◎すぐにしおれてしまう
  → 水・肥料の与えすぎで球根が傷んでいる可能性があります。また、ポットで管理している場合は球根が大きくなりすぎていて、土が十分に水を保水できていないことがありますので、球根をチェックをして植え替えをしてください。

 ◎耐寒性はあるのですか?
  → 矢祭園芸の路地でも花はなくなってしまいましたが、球根は無事に越すことができたものがありました。
  鉢植えの物は5回目くらいの霜でしんでしまいました。前述しましたが2008年〜2009年の冬には
  東京では路地で普通に大丈夫だったようです。東京以西で高寒冷地以外では冬を路地で越せそうな感じです。ただ、霜に当たると葉や花弁に傷みが見られると思うので、プランターでしたら軒下に避難させたり、路地でしたら薄布をかけたりの作業はした方がよいでしょう。

 何かわからないことがありましたら以下まで

  金沢大樹:taiki@ysflower.j

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矢祭園芸ではシクラメンやカーネーションなどを中心に、矢祭園芸オリジナルの花の育種や、 生産を行なっています。

八重咲きシクラメン チモ

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