お久しぶりです。
今日は植物の原価について少しマニアックなお話を。
先日福島県の総会で配られた資料の中にヨーロッパにおいて
販売額に対しての種苗費というものがありました。
これは切り花の世界なので鉢花の世界には当てはまらないかも
しれないのですが、かねがね『23%』のようです。
これをシクラメンの価格にあてはめてみて考えてみますと。
オランダのプラグの価格は20~25セント位なわけ(と想定)で、
これが全体の23%を占める場合、
0.20ユーロ÷23%≦X≦0.25ユーロ÷23%
↓
0.87ユーロ≦X≦1.09ユーロ
これを日本の市場にあてはめてみると・・・
シクラメンのプラグは50円〜60円と想定
50円÷23%≦X≦60円÷23%
↓
213円≦X≦260円
ちなみに以上がヨーロッパ的な経営方法で作った際の
手取り金額になり、市場単価は5寸6入り運賃250円手数料10%
とした場合
(213円×6入り÷(100%-10%)+250円)/6入り
≦X≦
(260円×6入り÷(100%-10%)+250円)/6入り
となり
278円≦X≦330円
という価格帯になります。
これはヨーロッパのような生産の方法を採った際に
単純に計算しただけなわけで、『人件費が高い日本』と
言われているので50円〜60円で仕入れた商品を
普通に販売する際には最低でもこれくらいの価格が
必要というわけです。
人件費が高いといわれているのですが、
日本の人件費は実はヨーロッパの3分の1程度です。
それでも尚、人件費が高いといわれているのは
『人間の総労働時間が多い』というわけです。
さて、私が分析する限りでは、農作業である以上
『人間』が動ける幅というものは限られているのですが
ヨーロッパ的なカラクリをひも解くと、極力人の手を
入れないための機械化を進めているがために
『人件費』だけをとってみれば安く見えるという
わけのようです。
人件費を削るためのロボットへの設備投資額が
日本の比ではありません。
不安定的に支払わなければならない人件費を
支払額が一定のロボットにとって代わらせることで
見かけの人件費を抑制するというバランスシート上の
帳尻合わせをしているわけです。
オランダ人に人件費20ユーロ/時間
ポーランド人の人件費15ユーロ/時間
こんなに高かったら、ロボットを買ってしまった方が
良いわけです。
ああ、それと、オランダの市場の手数料は2%位です。
運賃は大体自社便を持っているのでほぼ0円
物流的にも手数料的にも全く日本とは異なります。
オランダが〜と漠然とした部分での説明をされると
どうしても『はあ〜』となってしまうのですが、
冷静に数字をつき合わせてみてみると、なかなか
おもしろい結果が出てきます。
是非自分でもやってみてください。
それとおまけなのですが
『CNB』という会社があるのですが、
これが単純に横文字で非常にかっこいいのですが
単純にいえば『球根農協』のことです。
国内生産者と国内輸出業者がお金を出し合って
作った会社なので、国外の会社は口座を持つことは
よっぽどのことがない限りもてないはずです(むしろ不可能)。
よっぽどお金を積むか何かしないと。。。
もし、国内の会社の人で持っていると言っている方が
いた場合聞いてみてください
『担当は誰ですか?』
『供託金はいくらだったのですか?』
と・・・・
少し意地悪でした笑