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お客様

先日、A大学のK先生が矢祭園芸に来ていただきました。

かねてより育種を進めているPというものなのですが、

いろいろな色幅が出ており、大変研究材料として、

興味深いようです。

夜には自宅台所でお酒を飲みながらいろいろ話をしました。

その中でも、面白かった話は

『鉢花販売のマーケティング』という感じの話で

一般には花のマーケティングは『アパレル』との話のようなのですが、

大昔に私自身も一度はそのように思ったのですが、

今は全く違ったアプローチによる複合的なマーケティングなのでは

ないかと?考えていたところ、その話でした。

新品種を作るという観点から行くと、まさに『自動車産業&化粧品販売』的との

見解で話が盛り上がりました。

理由は、アパレル分野というものは常に新しいものを追いかける

傾向にあるのですが、これでは育種された商品がいくらあっても

こと足りないと。

その点自動車の販売方法というのは、マイナーチェンジを繰り返し

数年後にはモデルチェンジをする。

花の育種というものは常にそのようにあるというのがK先生の考えでした。

一つの花のカテゴリーの中で劇的に違うものというのは、

すぐにはあらわれないもので、新品種を部分部分で見た場合、

結局『早咲き性』『花色』『背丈』など、今まですでに認知されている

ものに対して、改良を加えただけであり、このようなものは

『マイナーチェンジ』とのこと。

劇的に今までなかったものを構築するということは、これは『種間雑種』

などの育種方法で作られたものか新規性のある商品位ではないか?

ということです。

また、化粧品販売的なマーケティングというものもアパレルよりも

より鉢花販売に近いとも感じました。

私自身鉢花自体『対面販売における説明販売』が高額商品を販売

するためのキーポイントだと思っていたため、この化粧品販売方法も

ある意味通じるところがあるので、大変理解できました。

広告を使い、雑誌に載せ、その時だけの流行を演出することで、

そこで本当にマーケットが堅実に大きくなるのか?その方法が

現在不況に陥っている日本の経済に対して、花の消費の新たな

ビジネスモデルになるのか?また、育種スピードの観点から

見ても、植物の特性を知ってもらう前に、埋もれてしまえば、

育種家のモチベーションの問題にもつながる危険性もはらん

でいます。


鉢花や花苗というものと切り花というものは結局売るものは

同じなのですが、商品の特性が全く違うものだと私は考えています。

それは、生産から店頭までの流れの中で、どこの流通過程が

メインプレイヤーになれるかどうか。この辺を考えると、まだまだ

鉢花・花苗というのは行けそうな気がしてなりません。

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2009年02月26日 03:30に投稿されたエントリーのページです。

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