農林中金、1兆9000億円の増資を発表
農林中央金庫は20日、金融危機の深刻化に伴う損失の拡大に対応するため、
2008年度中に約1兆9000億円の資本増強を実施すると発表した。
JAグループ内で調達する。
また、上野博史理事長(70)が3月末で退任し、4月1日付で河野良雄副理事長(60)
が昇格する人事を正式発表した。初の生え抜きのトップとなる。 (16:52)
http://www.asahi.com/business/update/0207/TKY200902070247.html
農林中金3月期増資、1.6兆円に 国内最大級
農林中央金庫が09年3月期に実施する資本増強が、1兆6千億円に達する見通しに
なった。国内企業の自力調達としては最大級の規模だ。金融危機で業績が急に落ち
込むのに備えるためで、JAバンクグループから調達する。金融機能強化法による
公的資金の注入は不要とみている。
財務の健全性を保つために最も重要な「中核的自己資本」として、1兆2千億円を新しく
調達できる見込みになった。一定の割合を自己資本に組み入れられる「補完的自己資本」
でも4千億円の調達にメドがつき、さらに上積みの余地があるという。
農林中金はJAグループの資金運用を担う国内有数の機関投資家。
98年から、国際分散投資という積極的な運用方針をとり、08年3月期には2768億円の
連結純利益をあげていた。しかし、主に有価証券で運用しているため、金融危機が直撃。
09年3月期は、大幅赤字に陥るのは必至とみられる。赤字になれば「住専」の処理に
追われた96年3月期以来13年ぶりだ。元農林水産事務次官の上野博史理事長が3月末に
引責辞任し、後任には河野良雄副理事長を軸に初めて生え抜きをあてる方向で調整している。
すでに08年9月中間決算の時点で、証券化商品や投資信託などの含み損が1兆5737億円
(単体)に膨らみ、自己資本が目減り。「09年3月期に含み損が倍増しても財務の健全性を
示す自己資本比率10%を維持できる想定」(役員)で自己資本を厚くする。
国内では、みずほフィナンシャルグループが不良債権処理を加速した03年3月期に
1兆819億円を増資。04年3月期には、りそな銀行が公的資金で1兆9600億円増資し、
実質国有化された。
http://www.asahi.com/business/update/0207/TKY200902070247.html
農中金の投資方法については以前からいろいろ言われていました。
私自身株や先物などは一切しませんが、世の中の動向を知るために
その辺の情報にはかなり注意を払っています。
農中金の資金運用方法についても、やはり『有価証券』の運用比率が高い
という点でほかの金融関係とは違うという指摘があったようです。
農家に対して、一度に大きな資金を貸してくれて、とても助けてくれる
農中金ですが、今回の金融危機でとてつもなく大きな損害をこうむって
しまったようです。
一般的な農中金のお金の使い道
農協 貯金82兆円 (農家など)
↓
預け金 56.3兆円
都道府県段階の信連
↓
預け金 29.5兆円
↓
【こうして集めたおカネを】
預金 38.8兆円
農林債 4.8兆円
その他 14.3兆円
資本金など純資産 3.2兆円
【こう「運用」していた】
貸出金 9.7兆円
金銭信託 7.9兆円
有価証券 36.2兆円 ★
その他 7.1兆円
★
日本国債 8兆8022億円
外国債券 13兆9234億円
このうち ファニーメイ、フレディマックなどの米エージェンシー、モーゲージ債 3兆4568億円
その他 11兆2581億円
このうち 資産担保証券(ABS) 2兆8805億円 住宅ローン担保証券(RMBS) 7554億円
商業用モーゲージ担保証券(CMBS) 6701億円 債務担保証券(CDO) 2兆4416億円 計10兆円余