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ある花屋さんからの秋明菊の管理の質問

カタログにある花屋さんより店頭管理の質問がありました。
カタログ 福娘


『矢祭の花が好きでよく仕入れています。』

秋明菊の店頭管理がいまいち分らなくて試行錯誤の連続です。

やや湿り気を好むので、雨に1日中あてていいのかということ、それと何時から何時くらいまで日に当てれば、そして遮光すればいいのか。日差しが強すぎると葉が黒くちりちりになる場合があるので。本来の色を出すには、ある程度の時間直射日光に当てる必要があるのでしょうか?ちなみに当店にはハウスはありません。スケルトンテント(白)はありますが、その場所に太陽があたるのは、11時から14時くらいまでです。そして、最適な水遣りのタイミングを教えてください。ちなみに私が働く店舗は埼玉県で、都内とさほど気候が変わりません。矢祭町との環境の違いで傷むことがあるのかどうかもお願いします。』

やや湿り気を好むので、雨に1日中あてていいのかということ
→あまり好ましくないようです。

それと何時から何時くらいまで日に当てれば、そして遮光すればいいのか。日差しが強すぎると葉が黒くちりちりになる場合があるので
→・日差しは午前中11時くらいまでの光

最適な水遣りのタイミング
→これは『朝』でしょう。


矢祭町との環境の違いで傷むことがあるのかどうかもお願いします。

→その植物が置かれている場所の違いが大きいように感じます。


詳細は続きで

<おそらく、あるお花屋さんの他の方々もとても興味のある質問だと感じましたので、勝手ながら記事にさせていただきました。
本日(9/25)矢祭園芸の父に質問してみました。その解答と私の意見を織り交ぜてお答えします。

まず以下のページを見てください。
貴船ふじやHP
勝手にリンクさせてもらいました。

秋明菊は別名『貴船菊』と呼ばれ、京都の奥座敷の貴船に自生(正確には帰化)していました。
私も一度貴船に大学時代行ったことがあります。良いところでした。

木に囲まれ、涼しく、湿度も適度にあり、川もあり、木立の間から適度な風が吹き、雨も木々が雨よけになるが適度に当たり、日差しも一日中当たらず木陰からのやさしい光。秋明菊が人の管理も受けず自然にきれいに花を咲かせている貴船。きっとそれが『理想』なのでしょう(おそらく)。

しかし店頭はそうはいきませんね。

矢祭町は、特に矢祭園芸のあたりは酷暑極寒です。夏暑く、冬寒いという場所です。盆地なので。
思えば、小京都?

園芸店があるような場所と違うのは、舗装された場所が少ないということでしょうか。

質問1
>やや湿り気を好むので、雨に1日中あてていいのかということ
庭植えに使える宿根草なので、雨にあ当たるのは問題ないと思いますが、
花が咲いている場合は痛みがあると思います。ただ、水切れはよくないです。

質問2
それと何時から何時くらいまで日に当てれば、そして遮光すればいいのか。日差しが強すぎると葉が黒くちりちりになる場合があるので
まず、日差しが強すぎる場合葉先がちりちりになる現象はご指摘の通り、日差しが強すぎるために起こる現象のようです。俗にいう『水あげが間に合わない』ということです。

光量に対して、呼吸(光合成)に必要な水が根から供給されないことが原因です。そうなると、水分が十分に行きわたらない葉先からチリチリになるわけです。

これは推測ですが、『根から来ないなら、葉の水分を使ってやる』と植物が考えるのかもしれません。人間だったら、『喉が乾いた。水がない。血を飲んでやる。』というノリだと思います。植物は本当に生きるのに必死です。

しかしながら、以上の根からの水の吸収力は、すべての植物が持つ『資質』なのでどうにもなりません。
暑さで花がクテッとするのも同じ理由です。これは予想で確実なことではないのですが、体内の水分が減ると花も散るのかも・・・・。

社長でしたら『日本酒が飲みたい。日本酒がない。料理酒(あるいは南郷)を飲んでやる!!』のレベルです。こちらもある意味狂気。


話がそれてしまいましたが、京都貴船の環境、水あげの問題、社長の話を総合しますと結果は以下になります。

結果:
・日差しは午前中11時くらいまでの光。以降は日陰が好ましい(社長談)。
 →私の意見:何も見えないほど真っ暗でなければ特に問題はないと思いますが。
・地温をあげないようにする(社長談)。
・木があれば木の下が良い(社長談)。
 →きっと木洩れ日位が良いの意味だと思います。


質問3
本来の色を出すには、ある程度の時間直射日光に当てる必要があるのでしょうか?
上記で挙げたように『木の下』というように必要不可欠ではないようです。

質問4
最適な水遣りのタイミング
これは『朝』でしょう。矢祭園芸のごとは8時30分からはじまりますが、はじめは水かけからです。植物が目覚めて、日の光が当たって、これから活動を始めるという時が良いようです。なので、出社しましたら朝一番で水を与えるのが良いようです。

私は過去に水かけについては何度か注意されたことがありました。
  (1)気温が高い時の昼間に水をかける。
  (2)夕方にカーネーションに水をかける。

(1)は土の中の温度は気温と比べ2-3℃温度が高いです。たとえば外気温38℃の時は土の中は40℃。この時に水を与えると、植物の根を40℃のお風呂に入れたようなもので、いい根っこのスープが出来上がり植物がやられてしまうということです。

(2)花に水をかけなければ良いのですが、花に水滴がついてしまった場合、夜間水が乾燥しないため花の芯からカビが発生し売り物にならなくなってしまうとのこと。

以上2つのことで過去にひどく怒られました。お陰で覚えましたが。


質問5

矢祭町との環境の違いで傷むことがあるのかどうかもお願いします。

地域差の気候的環境の違いというよりはむしろ、その植物が置かれている場所の違いが大きいように感じます。風が良く当たるや昼夜の温度差が激しいなどなどそのような要因で痛みが発生することがあります。順化が必要かもしれません。


私はまだまだ若造(27才)で、植物も大して育てたことない、頭でっかちで偉そうなことを言える立場ではないのですが、その植物がもともと自然に育っていた場所を想像しながら管理することが大切なのか?と薄々気づいています。

これからも秋明菊のみならず店頭での管理の際の問題点や意見などをいただきたいと思います。それに対してできる限り専門店での販売の手助けになるように頑張りたいのでこれからもよろしくお願いします。

大樹

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コメント (2)

とある花屋:

さっそくの対応ありがとうございます!!

こうゆうメールを送っても、管理者が頻繁にチェックしていなくて返事が遅い場合が通例ですが、ホンとにうれしいです。しかもこんなに丁寧に説明してくれて。

午前11時まで日に当てそのあとは日陰。それがわかっただけでかなり大きいです。

ぜひともやってみます!

これからもどうぞよろしくです。

矢祭園芸の人:

いへいへ。今売っているものなのに売り終わってからでは折角説明しても来年になってしまうので、秋明菊のことはまだまだ管理方法が『ナゾ』なものだと思うので、鉄は熱いうちに打たねばと思いました。シクラメンでのカーネーションでもわからないことがあれば何でもどしどし連絡ください。ではでは

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2008年09月25日 06:50に投稿されたエントリーのページです。

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